10/14-16 越後と會津の交流展 食と映画と手仕事と <手仕事展出品作家紹介その1>
2017年 09月 29日
かつての国と国との境は山であったり、川であったりして経済的交流とともに生活文化は
互いに交差し100年、200年のあいだに消えたもの、栄えたものとして現代につながっている。
たとえば、中越の越後上布や小千谷ちぢみは、その原料の原麻は奥会津から移出されてもので、
いわゆる原料素材は奥会津で生産され、
糸づくりや織り、デザイン、反物として製品化された経いがある。
また長岡のごぜさんも六十里や八十里を超えて、昔話やごぜの伝統芸をもたらした。
そのごぜの角付芸のお礼は少束(しょうたばの)麻であったと伝えられる。
私の家は沖田ごぜの常宿であったと語りつがれている。
江戸期の新潟画師、五十嵐俊明の作品が、今も会津に残っているところを見れば
越後との往来は盛んであり、杉などを川流しによって新潟まで運んだことも、
昔人のスケールの大きさを感じさせるものである。
現代、人々の交流を再び風土文化の中で、再考察する多様性がこのたびの“越後と会津の交流展”である。
小林政一
(手仕事展出品者)